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「老いがい」という言葉

2014-08-03 (Sun) 06:21

昨日(2日)の日経夕刊5ページ(こころ)のコラムに「老いがい」という耳慣れない言葉が載った。「<老いがい>の時代‐日本映画に読む」(岩波新書)を春に出版したことでの、社会学者・天野正子さんへのインタビュー記事である。

記事の中からなるほどと気になるところを紹介すると、
・「戦後の一時期は、死にがいを求めた時代でした。....高度成長期に盛んだったのは生きがい論で、何をどれだけ獲得したか、業績や地位が最大の関心事になりました....」

・「失われた20年を経て、高齢社会が現実になった今は、『老いがい』の時代であり、老いがいとは、年齢を重ねる過程で手に入れた、その人固有の老いとの向き合い方。人の生と、老いと死をつなぐものは、過去の成果や業績ではない。ただ、自分を生き切るという行為なのです」

冒頭の著書で紹介する映画・DVDは64作品、この夏、戦後の日本映画の名作を、「老いを見つめ直す」という視点からもう一度味わっていみるのも一興...とコラムにはあった。老いについて、少し考えさせられる記事ではある。まずは著書を取り寄せてみようか。

〈老いがい〉の時代――日本映画に読む (岩波新書)〈老いがい〉の時代――日本映画に読む (岩波新書)
(2014/03/21)
天野 正子

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他にも目に止まる個所がいくつか、
・「老いは人生の最後ではなく、幼年-青年-中年-老年-死までの生きる営み全体を『老いる』(aiging)という進行形でとらえるべきです」

・「若さに価値をおく現代社会は、『老いている状態』に過ぎない老人を『高齢者問題』としてくくり、専ら社会保障や高齢者対策の対象として扱います。そこでの老いは、当事者(老人)には、『内なる他者』、社会には『外部に位置する他者』であり、やっかいな存在でしかありません」

・「でも、老いは何かを失うことだけではないのです。耳が遠くなれば、相手の口の動きから判断する力が備わる。老人の日々は衰退だけではなく、創造の連続。老人になって得るのは、それまで知り得えなかった新しい人生の見方なのです」

・「....生と老い・死は人生の両極ではなく、ひとつながりであること、自分が今、渦中にある若さの価値が実は相対的なものでしかないことに気づいてほしいですね」

今朝のアマゾンの注文サイトでは、「一時的に在庫切れ」との表示になっていた、この記事の影響でもあるのだろう。

コラムの紹介記事より、
あまの・まさこ 東京家政学院大学長。お茶の水女子大学名誉教授。1938年広島県生まれ。61年お茶の水女子大卒、73年東京教育大博士課程中退。95年お茶の水女子大学教授。06年東京女学館大学長、09年から東京家政学院大学長。主な著書に、「『生活者』とはだれか」、「『つきあい』の戦後史」など。

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最終更新日 : 2014-08-03

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