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コスモポリタン人 倉沢宰先生

2021-03-29 (Mon) 08:22

会社人間卒業後の2年間、池袋の社会人大学(RSSC)に通ってお世話になった。この3月、その大学で定年退官を迎える先生方の最終講義がオンライン(Zoom配信)で開催され、参加した。その内のひとつを紹介しよう。

国籍などにはこだわらないで、全世界を自国と考える人をコスモポリタン人という。そのコスモポリタン人を自認する倉沢宰(クラサワサイ)先生の最終講義は、心に残るものだった。インド生まれでバングラディシュ育ち、日本文科省の国費留学で来日し、修士・博士課程を修了(慶応義塾大学)する。

その後、愛知学泉大学で長らく教鞭(専任講師〜教授)をとり、お子さんの誕生と共に日本国籍を取得。2010年から、立教大学大学院とRSSCで教鞭をとられた。

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今回の講義の流れは、日本に来たきっかけ、出身のベンガルと日本とのかかわり、ベンガルとバングラディシュの話、その後の専門分野の模索や東南アジア研究の話へと進む。

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専門は、社会変動論、東南アジア地域研究、民族問題、多文化共生社会と多岐にわたる。日本に来た1年後にバングラディシュ独立の内戦(1970年)が起こり....。

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そして、その内戦時に父親が暗殺され、母親と妹がインドに亡命、そんな波乱の境遇の中で自身が、日本でどう生き、どう学び、どう学問の道を歩んできたか。そして、日本とアジアの研究からの様々な気づきを語った。中でも、フィジーの現地調査から、国家とは何か、土地は誰のものか、グローバル化とは、グローバル・スタンダードとは、といった自身の重要な気づきも。

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社会人大学の2年目に、倉沢宰先生の「アジアの生活と文化とNGOの視座」という科目の講義を14回にわたって受講し、オフタイムに先生と有志の仲間たちとでインド料理をご一緒し、そこで、大変に温厚な人格者でもあることを知った。講義の最後は、コスモポリタン人間でありつづけたい、と90分間を締めくくられた。アクティブシニアである。

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最終更新日 : 2021-03-31

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