年金収入減の崖がある

先日の日経記事、Money&Investment欄(15日、土曜版)を参考に、公的年金等の収入減について整理してみた。当たり前のことではあるのだが、勘違いしていることもある。

厚生年金受給者の平均月額(15年度)は男性の場合、基礎年金と合わせて年収で約199万円(月額16万6000円)。現役時代の収入により差があるが通常は「平均よりせいぜい年40万~50万円多いくらい」。妻がずっと専業主婦なら、妻の基礎年金と合わせると200万円台後半だ。

年金等の収入は、現在の水準がこの先も続くとつい考えがちだが、実際には収入を減らす「崖」がある。①70歳以降の有期型企業年金の終了(企業によって異なる)と②配偶者死亡による年金収入減があり、特に②のその崖の存在と中身は十分理解されていない。

年金収入を減らす崖
年金収入減の崖(7/15付朝刊、日経記事から加工)
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年金生活者の最初の崖は、有期型企業年金の終了。企業年金はかつてのように終身タイプのケースが減っていて、現在は10~15年程度の有期型が多い。記事では、これを認識していないケースもあるという。

2つ目の崖は、配偶者の死亡による公的年金の減少。夫の現役時代の平均年収を600万円、妻は専業主婦などとして計算すると、夫婦ともに生きていれば受け取る年金額は計288万円(上の画像のB) 月額にして約24万円で、高齢夫婦の無職世帯の平均支出額(27万円程度)を下回る。

夫が先に亡くなると年金はどれくらい減るか。よくある勘違いが、夫の年金総額(厚生年金と基礎年金)の4分の3に相当する金額が遺族年金として支給されるというもの。だが遺族年金の計算に夫の基礎年金部分は含まれない。この例では厚生年金(132万円)の4分の3に当たる約99万円が遺族年金となる、要注意!

これに加えて妻は自分の基礎年金(78万円)を受け取るが、それでも合計で177万円。夫婦で受け取れる金額に比べると約110万円減る。支出は一人になっても大幅には減らない。毎月の赤字幅が大きくなるのは避けられない、と。

崖を乗り切るには現在の年収がいつまでも続かないことを認識したうえで(1)夫婦ともに長く働く(2)生活を身の丈にあった水準に直す――などして貯蓄をなるべく多く残しておくことが大事、と結んでいる。

市民協働を考える | Home | 空堀川・15日 朝の散歩

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